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楽譜 第18回
コンセール・パザパ

2007年10月5日(金)

第1部  16時00分開演
第2部  18時15分開演
ルーテル市ヶ谷センター

ごあいさつ

 一人で楽しめる趣味の筆頭が、音楽を学ぶことかもしれません。我が家の一室で、こっそりと、あるいは堂々と、自由気ままに練習したり、演じたりできるのは、音楽趣味人の特権です。他方、連弾、器楽アンサンブル、コーラスなど、仲間と共演する楽しさも音楽の魅力です。そしてたまには、小さい部屋でなく、響きの良いホールで、ドキドキと緊張しながら演奏してみたい・・・。誰かの演奏を聞いて、自分のレパートリーに加えたい・・・。1年に1度、こんな思いを抱きながら、ここルーテル市ヶ谷のステージに今年も立つことができて幸せです。

 長いコンサートを、暖かい拍手で応援してくださる皆様に、心から感謝しています。お知り合いの演奏者の姿に、また誰かの一曲に、ちょっぴり新鮮な感動を見つけていただけたら嬉しいです。本日はご来場ありがとうございました。
出演者一同

プログラム
第 1 部
16:00 1. 「カバレリア・ルスティカーナ」より



chorus
conductor
piano
ル・フォン・ドゥ・レ・タン
村井ますみ
藤原通子
アヴェマリア 柴田睦陸/マスカー二・河西保郎
「三つの聖歌」より  信仰 ロッシーニ
夢みたものは 立原道造/木下牧子
世界で一番おいしいパンケーキ 長田 弘/信長貴富
2. 変奏曲 ヘ長調  OP.34 ベートーヴェン piano
大庭 泉
3. ピアノソナタ 第1・第2楽章 グリーグ piano 山本めぐみ
4. 真珠 武内俊子/松島つね vocal
piano
永田比佐子
入川めぐみ
白鳥の歌 若山牧水/古関裕而
秋の月 滝 廉太郎/滝 廉太郎
召使いをお望みなら ステファーノ・ドナウディ
雪雲 中西 遙/加藤由美子
5. ノクターン 第17番 OP.62‐1 ショパン piano 川端隆子
アンプロンプチュ 第1番 OP.29 ショパン
17:00 6. 四手のためのソナチネ  ハ長調 ディアベリ piano
piano
福井しが子
大倉景子
7. バルカローレ  OP.60 ショパン piano 長岡忠一
8. 前奏曲集 第1巻より
アナカプリの丘・西風の見たもの
ドビュッシー piano 野口潤子
9. プロヴァンスの風景より
1.若い娘たちのファランドール
2.愛しい人への歌  5.あぶ                     
ポール・モリス saxophone
piano
中村興樹
中野恵子
10. ピアノソナタ  K.331 第1・第3楽章 モーツァルト piano 戸塚文子
11. 四手のためのソナタ  第3楽章 プーランク piano
piano
阿部智枝
山本めぐみ
第 2 部
18:15 1. 献呈 シューマン piano 前澤弘成
春に寄す グリーグ
春のざわめき シンディング
2. マズルカ 嬰ト短調   OP.33‐1 ショパン piano 中川直美
バルカローレ 嬰ヘ長調  OP.60 ショパン
3. 前奏曲「亜麻色の髪の乙女」 ドビュッシー piano 土屋晴義
即興曲「エディット・ピアフを讃えて」 プーランク
4. 幻想的ワルツ エンリコ・マルチェリ mandolin& ml.cello
piano

大倉淳作
大倉景子
ソルヴェイグの歌 グリーグ/渡邉鉄雄
5. 幻想的小曲集 OP.3 より
1.エレジー  変ホ短調
2.プレリュード 嬰ハ短調
ラフマニノフ piano 山本由美
6. バラード 第3番 変イ長調 OP.47 ショパン piano 中野恵子
19:20 7. 曲目未定   vocal
piano
中島清香
篠宮久徳
8. 前奏曲集 第1巻より ドビュッシー piano 小林祐子
9. ピアノソナタ 第21番 OP.53
「ワルトシュタイン」
ベートーヴェン piano 清水 優
20:15  


ウェブ・パザパ
1.パザパと私 長岡忠一
 私は今年ちょうど八十歳になり、毎日ピアノを弾くのを楽しみにしています。私は七十歳の時に会社を定年退職することになり、それから何をしようかと考えましたが、どうせするなら好きなことがよいと思い、それまで自己流で好き勝手に弾いていたピアノを、先生について習うことを決心しました。ちょうどその頃、友人からパザパのコンサートに出てみないかとお誘いを受けたのです。
 最初は恐る恐る出演したのですが、パザパは素人の下手な演奏でも構わないことを知り、それから毎年出演することになりました。今年で何と十回にもなります。皆さんが一生懸命弾いておられるのを聴くと、大変励みになります。また演奏の方もさることながら、終ってから近くのファミリーレストランで、打上会をやり、一杯飲むのも何よりの楽しみなのです。これからも是非続けて行きたいと思っておりますし、来年は何を弾こうかと今から楽しみなのです。

2.パザパの後はミニパザパ KOGERA
 今年もパザパと「ミニパザパ」が終わりました。「ミニパザパ」って何?とお思いでしょう。実は毎年パザパが終わってほっとする間もなく、パザパで弾いたのと全く同じ曲を別の場所で弾くハメになっています。
 学生の頃女声コーラスで一緒だった7,8人、その中の仕掛け人が毎年パザパの日程を私から聞きだしては、その一ヵ月後以内にメンバーの一人の自宅で仲間だけのミニ音楽会を開いているのです。パザパから1ヶ月以上経ってしまうと、私が「もうあの曲は忘れた!」と言い出しかねないからだそうです。独唱あり、デュエットあり、ピアノあり、習い始めのチェロあり、最後は決まって皆で昔歌った中田喜直女声合唱曲集。さながら「ミニパザパ」です。ピアノを弾くより皆で歌ったほうが楽しいと、当初ダダをこねていた私ですが、近頃はルーテル市ヶ谷での失敗を挽回したいという気持ちから、パザパで弾いた曲を進んで再演(!)しています。
 私自身は年齢とともに声が出なくなり、今では合唱団からは遠のいていますが、声がダメでもピアノで歌えたらどんなに楽しいことでしょうか。それを目指してパザパと「ミニパザパ」に感謝しつつ参加し続けたいと思います。

3.楽器の中の楽器はどの楽器? 鈴木三郎
 私にとってピアノのない人生は考えられないほどピアノが好きである。といって、私はピアノが上手に弾けるわけでもなく、また、音楽を専門的に習って音楽的素養があるわけでもない。ただ音楽が無性に好きだというだけである。とりわけピアノの曲はクラシックであろうとポピュラーやジャズであろうとつい聞き惚れてしまう。
 学生時代に、ヴァイオリンの好きな友達がいた。彼はヴァイオリンこそ楽器の中の楽器といい、ピアノこそ楽器の中の楽器と思っている私と、どちらが楽器の王様かを言い争ったことがある。二人ともそれぞれの楽器の持つ特性や長所をあげて自分の主張を通そうとした。結論はピアノが王様でヴァイオリンが女王様ということにした。王様も女王様もいずれも王には違いないということで一件落着させたわけである。まことに他愛も無い話である。
 しかし、いろいろな楽器の曲を聴いてみると、それぞれの楽器は音色こそ違えそれぞれが持つ独特の持ち味があり、どの楽器も王様にしたっていいのではないかと思うことがある。フルートの好きな人はフルートを、クラリネットの好きな人はクラリネットをたぶん楽器の中の楽器と思っておられるに違いない。好きな楽器こそその人にとって楽器の中の楽器になっているにちがいない。

4.音楽に支えられて 永田比佐子
 60歳を超える今日まで、歌を続けてこられた私ですが、この間介護という現実が待っていました。介護は昼夜の区別もなく、いつ何が起こるかもわかりません。深刻になればいくらでも落ち込んでしまいます。それを助けてくれたのが、音楽だったのです。年に一度のパザパの演奏会、コーラスの発表会、ソロの演奏会…。二十年以上も続けてこられたのは、少しでも心に届く歌をと思って勉強してきた結果だったのです。これからも、ささやかな前進を続けていきたいです。

5.思い出をふやす ロマネスクさん
 フランスの思い出・・・湿気のない軽やかな空気を感じながら、バスで古いカテドラルを見学して、田舎めぐりの旅をしたこと。カウベルが聞こえてくる山岳地帯での生活。そして何よりも、日本にはない風味のお菓子! ルーテル市ヶ谷の思い出・・・舞台が高くないので、客席と一体になる暖かい雰囲気。パザパで、再び懐かしくこのホールを訪れたこと。これから、パザパの思い出・・・が増えていきますように!

6.さて今年の目標は? カラーさん
 私は真っ白いカラーの花がとても好きです。一見水芭蕉に似ていますが、スッと背筋が伸び、そこになんの飾り気もなく一輪。地味派手タイプ。さて年初めに友人から『今年の目標は』なんてこわいメールが入ります。目標だから言いたい放題。『今年はモーツァルトのソロ曲を毎日一曲ずつ全部』てな返事を打ち返すわけです。言ったからには、楽譜を引っ張りだし、ソナタの一番から・・・。その昔「君のライフワークは?」と、彼の人にきかれ、すかさず「モーツァルト」と答えたものの、音の美しさだけで勝負みたいな作品に、手も足も出ず、どうしたら曲からくるイメージの音が出せるか、悩み、努力はしているけれどまだまだです。
 モーツァルトの音ってカラーの花のような気がするのです。さて、今年の目標はソナタ全曲、小品集全曲、室内楽(トリオ)までクリアしたのですが、変奏曲を残して夏の休暇に入って一休み。今は他の作曲家に浮気して遊んでいます。

7.憧れのシューマンのピアノ五重奏曲を弾く 中野恵子

 2007年11月、発表会が終わりアンリ先生のレッスンも終わり、さてさて本格的にシューマンにとりかかる。2月8日ということは1月中に仕上げる、そのためのあらかたのスケジュールを決め練習開始。でも色々雑用が入ったり、予定はどんどん遅れるものと決まっている。今回ステージパパは田舎から帰り、しっかりスケジュール作りに入ってくれ、ありがたいのやら‥‥。 ちょうど時間的な中間にI先生のレッスンをいれる。久しぶりで「どうしたの?」なんて言われ「こうこうしかじかで‥‥」で。本当に先生の音は柔らかく室内楽にはうってつけ。あらためてぼーっと聴きほれてしまう。全く余裕の無いちょっと恥ずかしいレッスンを終え、それでも一杯貰って改めて練習しきりなおし。『今年のお正月はコンサートが終わってから』って決まっていたから年末のお掃除カット。さて自分の直された所がどうなっているかとMDに入れてみると、こりゃなんじゃ。落ち込んで戻れない。このころは辛かったですね。

Mさんからの年賀状に『兎に角練習』の一言。 気を取り直し。でも弾いていて楽しい。今回これがあったから持ちこたえられたのかな。1月に入ってからの毎日の早いこと、早いこと。今日も終わった、今日も終わった。気がつくと半月がすぎていましたね。そこからはバリリ四重奏団のCDをカラオケにしていい気分で練習。楽しかったですね。凄く上手になった気分です。プログラムの校正やらリハーサルの予定がメールに入りだすとちょっと緊張。なんとなく合わせられると言う気持ちと、大丈夫かなと言う気持ちのせめぎあい。今回嬉しかったのは、肩にこなかったこと。姿勢だと思うけれど。K先生には何回かお世話になりほぐしてもらったけれど、以前のようなことにならず体をキープできたのは大きな進歩!

いよいよリハーサル。もうやるっきゃないものね。譜めくり&通訳のU子さんと待ち合わせて会場へ。大きな練習場が確保されていてドキドキしながら入って行く。4人とも人なつっこい笑顔で迎えてくれほっ〜。いつものことだけれど、一回目はお互いさぐり状態。「二回目になっても出来ないことはあなたの問題」っと、凄く突き放された雰囲気を感じてしまい、これがヨーロッパって思う。

一週間なんて瞬き状態で過ぎて当日。来てくださる人の為にもお天気は重大。快晴!良かった!ホールの舞台からゆっくり客席を眺めてみるととてもいい感じ。ここで弾くのね。三時半からゲネプロ開始。やっぱりシンコペーションが駄目。絶対上手くいくを信じてもう一度。出来た!当たり前なんだけど。弦が天井で響いている。凄い。楽屋に戻るとちょうど四時。後三時間。意外にあっという間にたってしまう。ドレスの色は紫のシクラメンを思い出してね。良い色でしょう。舞台裏。モーツァルトももう終わり。トィ トィ トィと声をかけてくれる。

最前列、端まで座ってくれている!最初は頑張りすぎないで!一楽章はまぁいった。ニ楽章は、弦と一体の音を心がける。三楽章のスケルツォは『神々の叡智の遊び』と言う意味。
楽しく弾かなくっちゃ。終楽章は天上から音が重なって聞こえてくるように感じて、一番好きなところ。テンポもOK。最後まで一息で‥‥‥カデンツものった。OK。終わった。楽屋でチェロのウルバさんが、カーテンコールと声をかけてくださり、もう一度舞台へ。今日まで応援してくれた皆様、ハラハラドキドキの譜めくりのY子さん、お世話になりました。パリから応援してくれたごえんだま、ありがとう。終わった、終わった!長かったのか短かったのか、夢の世界のおしまいです。この曲のように。
(2008年2月9日、浜離宮朝日ホールでのコンサートの翌日)


会場
ルーテル市ヶ谷センター