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風に乗って、面白い話題が飛んできます。〜色んな所〜色んな人から。はじめ時々〜後しばしば。

◎ 433 パリ新名所(2015/02/25)

<ジェローム・セドゥ=パテ財団> 無声映画館と展示館
Fondation JEROME Seydoux PATHE

□73 Avenue des Gobelins アヴェニュー・デ・ゴブラン73番地
□メトロ:Place d’Italie か Gobelins から大通りを歩いてすぐ。
□開館日:13h-19h(火〜金)、10h-19h(土) 

有名なゴブラン織り製作所のあるゴブラン大通りに昨年秋オープンした広い敷地にユニークな形の建物。地下のシャルル・パテ映写室では、フランスでパテ社が製作した無声映画が多数上映されています。上の階には展示室があり、その一室は、1896年から1980年代までの映写機やカメラを陳列。特別展示会や施設見学会も行われています。

*2月24日(火)朝、この建物の存在を知り、今日はチャップリンの映画が3回上映されている事がわかって15hと16hの部を見に行った。きれいなホールで、2時間で4本のチャップリンの映画を見た。何となんとピアノの生演奏付き!観客に当時の感動を与えようという粋な計らいである。演奏はパリ国立高等音楽院のフランソワ・ジゲル先生の生徒さんと紹介があった。素晴らしい演奏だった。画面を見ながら俳優の動きや雰囲気に合わせた自在な演奏。若いピアニストの巧みな演奏を聞きながら、言葉に悩まされることなく笑ってきました。見つけてよかった。オススメ。


◎ 432 所変われば パリ(2015/02/24)

■住ませてもらっている友人のご近所友達の誕生日パーティーに招いてもらった。開始時間に微妙に遅れて(多分絶妙のタイミングで)、会場のカフェ・レストランに着いた。本人ともう一人友達がカウンターでロゼを飲みながら待っておられた。本人さんは携帯であちこちに連絡を取っている様子。

ロゼを飲みながら時間をつぶしていたが、誰も現れない。30分も過ぎると「お友達約束を忘れたのじゃないか?」と私は彼が気の毒でならなかったが、私の友人も店の人も別に何とも思っていない様子で、当たり障りのないお喋りを続けている。しばらくしてついに2階の10数人分の予約席で待っていることになった。

1時間余り後、いつの間にか14、5人がテーブルにつき、ご本人がシャンパンを注いでくれて宴が始まった。黒板のメニューから好きな料理を選び、演説があるわけでなく、隣や向かい合った人と笑い合ってなごやかな雰囲気。よく喋れなくて無口でも誰も気にしていないようなので私もまったく気楽に輪のなかに存在できた。たとえ気楽な居酒屋にしても日本でならあり得ない予約時間の遅延の許され方…。

■ギュスターヴ・モロー美術館
Musee Gustave Moreau une maison-atelier unique a Paris

数年前から改築工事で長期間閉まっていた美術館が再開していた。ギュスターヴ・モロー(1826-1898)が青年時代から晩年まで住んでいた家が遺言どおりにコレクションとともに国に寄贈されたという。現在のギャラリー・ラ・ファイエットから北にモンマルトルの丘と結ぶ間の静かな住宅街にある。19世紀ことに芸術家に愛された界隈で、ショパンがパリに着いてから6回ほど引っ越しをした家はすべてこの近所。やっと入れて驚いた。

ことにモローが晩年に建て直したという螺旋階段につながれた2階と3階のアトリエが圧巻。モローの大画面の作品が並んでいる。スケッチやクロッキー、画家が使っていた絵の具などをもまとめてみる事が出来る。上手に配置されている椅子でゆっくりと19世紀の館の雰囲気に浸った。トイレを拝借してその素的さに、ちょっと迷った末写真を撮らずにはおれなくなった。パチリ!

帰宅して何気なく最近開いた事もなかった「地球の歩き方パリ06-07版」の美術館案内の頁を見て笑いが止まらなかった。読者の投稿で曰く「らせん階段はねじれ加減が素敵でした。トイレも昔風な雰囲気でおもしろいです。」・・・フフフ、やはり読者も似た者同士!

このご近所にもうひとつ「市立ロマン派美術館」がある。ここはやはり画家のアンリ・シェーファーの住居とアトリエの建物で、ジョルジュ・サンドの遺品の装飾品やショパンとサンドの石工の手、絵画や写真がいっぱい飾られている。小さな庭園にカフェがあり、ツンツンと寄ってくる小鳥(鳩ではなく)とお茶をするのはのどかそのものです。 「ぶらぶら音楽散歩」の地図片手にオススメ!



◎ 431 所変われば パリ・オペラ座(2015/02/16)

♪ モーツァルト:オペラ<後宮よりの誘拐>
・2015.2.12 (木) オペラ・ガルニエ
 
 4階、4人が2列で入れる小さな部屋。安いチケットなので舞台の約1/4が見えない。その代わり天井のシャガールの絵や金色の彫像装飾が細部まで見えた。
 ヌーベル演出が心配だったが、超モダンではなく内容にそった衣裳や舞台装置、演出でとても楽しかった。トルコの王宮が舞台のこの作品ではトルコ風の音楽を奏でる打楽器が重要な役割だが、3人の奏者が舞台上で登場人物と同じくトルコ風の衣裳でちょっとした演技をしながら演奏。
 あとで会ったマンドリニストが、「あの女の子私の友だちのマリンバ奏者」と教えてくれた。ウーン。色んな意味でさすがパリかも。熟知しているオペラなので字幕を見ること無しに楽しみました。

♪ ドビュッシー:オペラ<ペリアスとメリザンド>
・2015.2.13 (金) オペラ・バスティーユ

 2日続きになるがこれが一番良い選択だった。今回は1回の平土間のそんなに高くない席。始まる数分前に何やら前の方に大移動が始まった。大移動は私の列にまで及び、「空いている席に自由に移動して…。」というものだった。で、多分2ランクくらい上の席で聞くことができた。こんな移動を平気でさせてくれるなんて、いかにもその場を最大限によくしたいと考えるフランス人らしい考え方。遅れてくる人がいるかもしれないのに…。
 ドビュッシーはやはり難しいので、フランス人と言えども敬遠するのだろうか。字幕をしっかり読みながら鑑賞、絵画的かつ抽象的、映像的な演出効果が素晴らしいできばえだった。

◎ 430 所変われば パリ(2015/02/16)

 懲りない人!とか言われながら、パリに来ています。パリの普通の人の生活は普通にこれまで通りに穏やかにマイペースで続いているようです。けれど普通に再会できたことをこれまで以上に喜び感謝しているのは確かです。

■2月9日(月) 間際に決めて飛行機を予約したので通路側の席は取れず、最後の望みを託して、インターネット・チェック・インをせずに、カウンターで他の空席がないか探してもらったが満席。追加金を払えばエコノミー・プレミアの良い席に案内できると言われ一瞬迷ったが断った。スーツケースをターンテーブルから自分で取り出せなくなった時、エコノミー席に耐えられなくなった時、一人旅が恐くなった時…旅は終らねばならないと思っている。この頃のように細かい料金設定になるともう無理なのだろうが、係員の気分次第で一ランク上の座席に案内してくれたこともあった頃が懐かしい。(ああ、でもそれは日本では元々あんまりいただけなかった幸運かも…。)

■パリの空港に着いて第1回目の失敗:関空発の飛行機の荷物が出てくるレーンでずっと待っていた。大阪弁ばかりが聞えてくる!?まちがいに気づいて成田発の荷物のレーンに行ったら「終了」と書かれていて、私のスーツケースともう一つうっかり氏の荷物が長いレーンをぐるぐる回っていた。
 
■第1回ラッキー:バスに乗ってチケットを買った。この頃は乗車前に販売機で買うことになったそうで、機嫌の悪い人なら降りて次のバスにせねばならないところだが、明るい黒人運転手さんは「OK! おつり持ってないから、10ユーロでいいよ!」とおまけしてくださった。「ああ、私はパリに来た」と思った瞬間。

◎ 429 公演をわかって見る・聴く/感じて見る・聴く(2015/02/11)

■劇団山の手事情社公演<テンペスト>
・2015.1.17(土) 19h30
・東京芸術劇場シアターイースト
・構成・演出:安田雅弘

■<読売日本交響楽団 第578回サントリーホール名曲シリーズ>
・2015.1.24(土) 14h
・サントリーホール 
・指揮:下野竜也
・マリンバ:小森邦彦
♪武満徹:ジティマルヤ
♪マーラー:交響曲 第5番 嬰ハ短調

■第16回演奏会<新作歌曲の会>
・2015.1.25(日) 14h
・東京文化会館小ホール
♪篠原真:テノールとピアノのための『星空奇譚』ほか、7名の作曲家の新作歌曲

□幸運にも一週間続いた至福の時間をこうして並べてふりかえってみて面白いことに気づいた。まず一日目私はシェイクスピアを殆ど読んでなくて、原作を知らないで新演出というか、演出家の解釈をもとにして俳優の演技で創られた芝居を解ってみるのは辛い。チラシの文章は抽象的な短文であることが多く、劇の筋が書かれることは少ない。
 劇場でもらった私の好きなタイプの手作り風プログラムには、キャストの関係図、物語のあらすじと、演出家による『テンペスト』の読み方、参考文献まで詳しく書かれていたが、会場の私の席はほぼ真っ暗で、開演前にこの小さい字を読むのは無理、ロビーに戻る時間はないし、休憩無しなので、結局白紙の状態で見ることになった。原作と公演の作品とのちがいは解らなかったが、台詞があるし、俳優の敏捷な動きと鍛えられた演技に想像力を刺激され、充分感じて楽しんだ。

□二つ目のプログラムは、16日の定演ですでにもらっていたので、じっくり読んでいった。武満徹の曲は初めて聴く曲だったし、マーラーの交響曲もそう度々聴ける曲ではない。もともと器楽曲には台詞もないし物語を語る作品ではないから、解説無しでも楽しめたと思うが、このコンサートのプログラム・ノートはとても参考になった。
 「ジティマルヤ」とは「旋律の花束」という意味で、マリンバが旋律楽器的に扱われ、多彩な音を駆使しながら、武満が言うところの『中近東風のニュアンス』を持つ歌を奏でていく・・・という文を読んで、今頭から離れない中近東での事件の映像や語られるいろいろの事柄を思い出さずにはいれなかった。突拍子もないことだが、彼らにこんな風に芸術にひたれる環境があったのならああいう事態は…と痛切に思う。
 マーラーは、通常のプログラムの解説に加えて、「名曲の深層」の頁に佐伯茂樹さんのとても良い内容文章があり、聴く楽しみが倍加された。でもこの文章は音楽の理論の知識がない人にとってはしんどいものかもしれない。

□三つ目の新作歌曲のプログラムには、立原道造や金子みすずの詩や現代の人の歌詞が印刷されていた。これらの詩にどんな音楽がつけられるか、とても楽しみだった。短い詩をもとにヴォカリーズ(アとかウといった母音で歌われる)曲があった。歌手の変幻自在な声の表現が素的だった。
 作曲家の個性がいやおうなく発揮される初演コンサートは非常に面白く、結局音楽も演劇も解説や知識を持って見聞するもよし、前知識無しに感動に身をまかせるのもよし…と悟ったわけです。



◎ 428 2015年初コンサート(2015/01/23)

昨年の音楽会の締めは暮れにNHKホールで聴いたドビュッシーのオペラ「ペリアスとメリザンド」の演奏会形式の上演。途中で咳がでたら困ると弱気になって、自由席に移り一番後の右端で聴いた。一階の隅にある字幕が殆ど見えず不消化に終った。体調の悪い時はただ聴くだけでも辛いものでした。年が明けて、勿論風邪も治り…。

<読売日本交響楽団 第544回定期演奏>
・2015.1.16(金) 19h
・サントリーホール 
・指揮:準・メルクル
・ピアノ:金子三勇士

♪ ウェーベルン パッサカリア 作品1
♪ シューマン ピアノ協奏曲 イ短調 作品54
♪ ブラームス(シェーンベルク編) ピアノ四重奏曲 第1番 ト短調 作品25

指揮者もピアニストも聴きたいと思いながら機会を逃してきたので、開演前からワクワク。曲目もシューマン以外は初めて聴く。3曲目はブラームスのピアノ四重奏をシェーンベルクが管弦楽に編曲したという作品。原曲はピアノと3つの弦楽器の曲だが、弦楽器はもちろん、木管と打楽器が大活躍。原曲の楽譜を見ながら、原曲とこの管弦楽版を聴きたいと思う。第4楽章でほんの短い間だが弦楽器のソロの部分があった。突然出てきたそのパッセージは原曲の響きを彷彿とさせるようだった。

三曲とも指揮者のメルケルさんが楽しそうに生き生きと振られているのが印象的だった。金子三勇士さんの整然とした豊かな音色の演奏もとても好きだった。プログラムのていねいな解説が役立った。知らない曲の演奏会はとくに、少し早く行って曲目解説を読むべきですね。フランスでは、オペラの有料のプログラム以外で、曲目の解説が載ることは殆どないと思います。翌日の初観劇は後日。

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