(2003/9/04〜12実施)

コート・ダジュール もうひとつの顔

「プロヴァンス鉄道に乗って山あいの中世の町 アントルヴォー ENTREVAUXへ」


Chemins de Fer de Provence(プロヴァンス鉄道) 時刻表(04.5.現在)
Nice 発 9.00 12.43 17.00 18.35
Entrevaux 着 10.30 14.18 18.31 20.06
Entrevaux 発 8.47 12.18 15.41 19.06
Nice 着 10.18 13.49 17.15 20.35
 ※プロヴァンス鉄道の駅は、SNCF(フランス国鉄)の駅とはちがうので注意。(ニースの地図参照)

ニース〜アントルヴォー運賃
大人/片道 9.00ユーロ
 ※55歳以上の方は、25%割引


 プロヴァンス鉄道は、鉄道ファン垂涎の鉄道のひとつだそうだ。現在のニース駅の前方に残されている古い、まるでパリのオルセー駅のような立派な駅舎がこの鉄道の長い歴史を物語っている。発車ぎりぎりに着き、慌ててチケットを買う。55歳以上割引の制度があり、売り場のお兄さんは、10人のグループをチラッと見て、割引できる人はいませんか?と聞いてくれた。「います。います。」で25%もの割引キップで乗車。出発間際で、後ろに列ができているというのに、聞いてくれるなんて!やさしい!

 渓谷を右に左に見ながら、2両連結のかわいい電車ががたごと走る。もちろん単線。車内のあちらこちらで、にぎやかな話し声がしている。わがグループも、ニースへフランス語の勉強にきているドイツ人の女性と知っている限りの言葉を駆使しておしゃべり。突然日本の歌や「野ばら」が聞こえてきて(それもユニゾンでなく、重唱で!)おどろく。さすが『音楽散歩』!!!向かいに座っていたカナダ人のおじさんの嬉しそうな顔が忘れられない。こんな風に交流できることが旅の醍醐味です。
 1時間半でENTREVAUXに着く。駅から何だかとても高いところに建物が見えていて、あそこまで行くのかしらと、ここはまるで初めての場所なのでわくわくしながらも、人様をお連れしているので、何にもないつまらない所だったらどうしようと、今さらながら・・・。
 結局、山の上まで上る組と、次の列車でニースに戻り、シャガールやマチス美術館へ行く組とに分かれることになる。ここではガイドブックには載っていないアントルヴォーを紹介する。



 駅から、この道でいいのかと不安になりながら、山の方向に歩く。粉引き小屋を過ぎ、ヴァール川にかかる橋を渡ると、突然カフェやパン屋らしきものが現れホッとする。17世紀に建立された城門を抜けると、そこは中世時代の古い町。地図をたよりに、さあ歩きましょう!


(1) 案内所で、地図をもらう。(もちろんフランス語のみ)
(2) その案内所で、城砦へ入るカギ(コインのようなもの)を買う。その時は何が何だかわからなかったのだが、後で判明。
(3) レストランやクレープリーがあり、美味しそうだった。こんなにすてきな店があるとは、夢にも思わなかった私たちは、城門内に入る前に、24のパン屋と、26のエピスリー(何でも屋)でランチを用意してしまったので、カテドラルあたりから、壁の下のピクニックエリアで、“野原でデジュネ"。
  ※フランス人の言うところのピクニックはまさにこれです。おしゃれ!
(4) 歩きにくい石畳の階段や、曲がりくねった小道をあてずっぽうに歩き、途中かわいいミュゼに入ったりしながら、10城砦と火薬庫への入り口 に到着。さっきのコインを入れると鉄格子が開く仕掛けになっていた。(自動扉を想像してはだめです。かなりガチャガチャ色々と試した末、開くことになっています!) いくら払ったか忘れたが、拝観料のようなものね。
(5) ここからは、天国への長い道が続く。行ってのお楽しみです。上るのはたいしてきつくないので、ぜひ登ってください。感動を保障します。
(6) 天国から降りてきて、例の鉄格子扉の前で21世紀に戻る。カギなしですっと開き、難なく出られる仕組みなのでした。(美術館などの入り口でよくある形態。)
(7) 大満足で駅に戻ったが、ひとつ面倒な仕事が待っていた。
往きに買ったチケットは、10人分の往復切符が1枚にまとめられていて、先の列車で帰った人たち に持っていってもらったので、そのことを説明しなければならない。おずおずと切り出すと・・・駅員さんのマダム(無人駅で、電車の発着時間だけどこからか現れる)が「ペラペラペラペラ・・・」。大変な剣幕なので怒られているのかと思いきや、なんと「あなた方の分も朝払ったのだったら、また払う必要は全くない。車掌には電話をしておくから、安心して乗ってください」・・・・・。列車が動き出すや否や、車掌さんが検札に来られ、「ゆっくり聞きましょう」と、座席に座って、私の今度は少しのおずおず弁を面白そうに聞き、「ウイ!わかった。キップ無しでいいよ。」と。

というわけで、アントルヴォーが、また大好きな場所のひとつに加わりました!
 ※プロヴァンス鉄道のURL http://www.trainprovence.com


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目 次
P1 日時とスケジュール
P2 ニース到着
P3 ニース滞在
P4 コート・ダジュール もうひとつの顔
P5 パリへ
P6 パリ滞在
P7 パリのパサージュめぐりの巻

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